ARCはアフリカの平和構築に取り組むNGO(非政府団体)です
2002年度から継続している「ルワンダ子ども支援基金」事業ですが、今年はインターンの山下の発案で、クラウドファンディング運営会社のReadyforにプロジェクトを掲載してもらい、広く寄付を募りました。目標金額30万円と設定したところ、結果として50人の方から計311,000円のご寄付をいただき、プロジェクトは成立となりました。このうちの229,656円(=2100USドル)をFHPOに送りました(寄付総額の12%にあたる37,320円に消費税8%を加えた40,305円はReadyforへの手数料、残額の41,039円は寄付者へのお礼の送付等の事務経費に充当)。
FHPOとは贈与の覚書を交わしまして、今回の寄付金は、生徒たちの制服、通学カバン、筆記用具、教材購入費用などに使わせていただきます。
あらためまして、ご支援ありがとうございました!
クラウドファンディングのプロジェクトの詳細は、こちらからご覧になれます!
小峯茂嗣ARC事務局長が、立教大学の学術誌に、ルワンダのガチャチャ裁判後の和解醸成についての論文「ジェノサイド後のルワンダにおける加害者とサバイバーの意識の変化 : ガチャチャ裁判後の聞き取り調査をもとに」を掲載しました。ぜひご一読ください。
ARCがルワンダの現地NGOのARTCF(ルワンダ女性クリスチャン労働者協会)がルワンダの農村で行っているマイクロセービングを通じた収入向上と民族和解プロジェクト(詳しくは活動レポート2015年5月号をご覧ください。ARCのホームページから見ることができます。)の近況報告です。
〇和解のためのトレーニング
ミーティングでは、和解の手順として、まずこのプロジェクトのカウンターパートであるARTCFのフィールド・オフィサーが、和解のためのトレーニングを行います。これにより、皆一緒の人間であるということに気付き、民族関係なく同じ「ルワンダ人」として物事を一緒に行ったり、結婚したり、パーティーに招待したりするようになるとのことです。こういったトレーニングだけでなく、毎週のグループミーティングでも、メンバーにお互いのことを知り、理解する機会をもうけています。
実際に、ジェノサイド時に、夫がフツ族であったツチ族の52歳の戦争寡婦は、マイクロセービングに参加することによって、人生が変わったといいます。ジェノサイド終了後に夫を亡くした彼女は、ツチである自分の両親と、夫側のフツの家族の板ばさみにあい、当時は誰も受け入れなくなっていました。しかしマイクロセービングに参加後、誰もが他人を必要としていることが分かり、今では差別せず全ての人と協力できるようになりました。彼女はマイクロセービングで生活が大変良くなったそうです。さらに彼女は、現在ルワンダ南部にある50の村の代表として、マイクロセービンググループを支える役割を担うようになりました。
またあるフトゥの男性のJさんも、マイクロセービンググループに参加してから半年ほどでトゥチを受け入れられるようになったとのことです。
世界各地で行われているマイクロセービングとは、もともとは貧困層の所得向上のための取り組みですが、ARCは、グループの中にフツの人とツチの人が、生活を良くしたいという同じ目的のために、毎週集い、話し合い、協同するというプロセスを経る中で、民族の和解を促していけると考えています。