ガチャチャ裁判傍聴報告(2)―2002/9/14 ―

カノンベ(Kanombe)ディストリクト、レメラ(Remera)セクター、ガコネ(Gakone)、カサモドハ(Kasamodoha)、アインサンガ(Ainsanga)、カベザ(Kabeza)セル

この前ガチャチャ裁判セッションは四つのセルが合同で囚人を連れてきて行われることになっており、午前10時から午後6時の予定であった。会場は新築中の小学校の運動場で、10時になる前から人々が集まり始めたが、囚人がトラックの後ろに乗せられて到着したのは11時を過ぎていた。11時半になってようやく裁判官一人と最高裁判所(?)からの検察官二人(?)も揃い、会が開始された。警察官が三名、民兵が五名会場の警備にあたる。運動場には約500名の人々が集まり、裁判官が人々に、もっと人が集まるまで待つように話し、またここに連れて来られた囚人達は彼等が行ったことの為にここに連れて来られているので、彼等がしたことを話すように、と話しました。また、人に聞いたことではなく、自分が実際に見たことを話すように、真実を話すように訴えました。もし嘘をついたら、嘘の証言をした人も刑務所に入れられること、無実の人を刑務所から開放する為にも真実を話すようにと訴えました。

その後、検察官が囚人を皆の前に連れてきて、囚人をよく見てもし彼等が何かしたならそれを話すよう人々に言いました。人々の中からは、囚人がきれいな靴をはいていることや、彼等が痩せておらず、体格が良いなどの囁きが漏れる。また、囚人が何時も着ているピンクの囚人服も、今日は新しい物のようであった。その後、囚人に一人ずつ、名前、どこに住んでいたか、どこで生まれたか、近所の人の名前や自身の仕事など自己紹介させ、彼等は恥ずかしがる様子もなく堂々と話しました。

1.ビジマナ・サムネ、当時アインサンガ・セルにいました。
2.ニラ・カミエ(女性)、当時アインサンガ・セルにいました。
3.アスマン、当時学生でアインサンガ・セルにいました。
4.ヴィンセント・ムカンドリ、当時アインサンガ・セルにいました。
5.当時アインサンガ・セルにいて、コーラやファンタを売っていた男性。
6.当時アインサンガ・セルにいたタクシー運転手。
7.アルティサニ、ハウスボーイでした。
8.チャンググ出身のエマニュエル、ハウスボーイ(人々の中から誰の家で働いていたのだ、と問う声が出ました)。
9.ヴェンサ、ハウスボーイで当時カベザセルの知り合いの家にいました。
10.エマニュエル、当時カベザセルにいて、大工でした。
11.当時カベザ・セルにいたハウスボーイ。
12.当時カベザ・セルで結婚していた女性。
13.当時カベザ・セルでハウスガールだったジャクリン・ウイマナ。
14.当時カベザ・セルでブリングホと結婚していたコレタ(女性)。
15.当時ガコネ・セルで商売をしていたタンジーン。
16.当時ガコネ・セルで近所の人の家に滞在していた男性。
17.当時カサモドハ・セルの住人
18.当時カサモドハ・セルで両親と住んでいたムテセという女性。
19.当時カサモドハ・セルにいたウムタラ県出身のエマニュエル。

自己紹介の途中で、検察官がどうしてハウスボーイやハウスガールが虐殺に関わっているのだ、と疑問を投げ掛け、この会の中で主人に命令された等どのように関わったのか本当のことを話すように言いました。しかし、ここで雨が降り始め、学校の軒下に入って雨が止むのを待つことになり、再開は1時になりました。

再開した時、ガチャチャ裁判官が、囚人を連れてくる会はここでは二回目だが、囚人の起訴内容の多くが正確でないので、虐殺の間に何が起こったのか人々は真実を話さねばならないと促しました。また最高裁判所からの別の職員も、たとえ自分の親類のことであっても彼等がした真実を話すように伝え、次にカノンベディストリクトの市長が挨拶し、彼が言うことはあまりなくとにかく会を始めるよう話しました。ここで裁判官が、会の進め方について、登場する囚人が虐殺に関わっていたところを見た人は、挙手してどの人がどこで何をしたところを見たのか言うようにと説明しました。

まず最初に囚人一人ずつ前に出てきて、その囚人を知っている人がいるかどうか確認をしましたが、なかなか挙手をして囚人を知っているという人が出ず、裁判官が何度も知っている人は挙手するよう促し、結局、挙手しないなら囚人の方から知っている人を指差させると言ったので、人々はそろそろと挙手するようになりました。この後、証言をする人を、囚人の無実を訴える人と、囚人をした罪を証言する人と二グループに分けました。そして囚人を一人ずつ前に呼び出し、その囚人について証言がされました。

[囚人1]
 証言者1:この男性は、囚人がインターハムエで人を殺すところや、女性の腕を切り落とすところを見たと証言しました。しかし囚人は刑務所に入れられていなかったので、彼が通報して投獄した。
 証言者2:この女性は集まっている人々の中に虐殺に加担していた人を発見したと証言しました。
 証言者3:この男性は証言者1の証言は嘘で、囚人は何もしなかったし、女性の腕も切っていないと証言しました。
 証言者4:彼はこの地域で殺された人の名前を挙げ、その人達はこの囚人によって殺されたのではないと証言しました。
 証言者5:老男性がこの囚人は彼の近所に住んでいたが、そのような殺人をしたことは知らないと言いました。
 証言者6:囚人の近所の人が、インターハムエのグループが殺人をしたのを見たが、この囚人は関わっていなかったと証言しました。
 証言者7:別の近所の人が、囚人はインターハムエであったが、殺人はしていないと証言しました。また彼は証言者2に自分がインターハムエであったと言われたので、恐れをなしているとも述べました。
[囚人2]  証言者1:彼は、囚人が殺す人を捕まえる為のインターハムエの車に乗っていたところを見たと証言しました。
 証言者2:彼女は囚人が家に火をつけてまわるインターハムエのグループと一緒にいたところを見たと証言しました。
 証言者3:彼はこの囚人が自分の家にも来たグループと一緒にいるところを見たと証言しました。
 証言者4:彼女は囚人が銃を持っていて、女の子を撃ち殺したところを見たと言いました。
 証言者5:彼女は囚人が虐殺が終わるまで人を殺していたと証言しました。
ここで囚人自身が、目撃者達は真実を語っていて偉い、と言い人々から拍手が起きました。しかし、この後目撃者は正しいことを言っていないと言い、自分で自分のしたことを話し始めました。彼は人を捕まえてくる命令を出していたが、殺害はしていないと言いました。
[囚人3]
 証言者1:彼は囚人がある一家を殺すところを目撃しました。戦後彼は民兵に選ばれて、その後この囚人を投獄する為通報したと証言しました。
 証言者2:囚人の近所の住人が、囚人は無実であると言いました。囚人は、人々を殺す為のミーティングに行きましたが、何もしなかったと証言しました。
ここで証言者1が囚人の殺した人達の名前を挙げました。
 証言者3:彼は証言者1を支持すると言い、囚人がまるで彼に殴り掛かろうとするかのように近づいていき周囲の人に止められました。この証言者は囚人が銃を持っているところを見たと証言しました。 証言者4:囚人が鉈を持っているところを見たと証言しました。
[囚人4]
 証言者1:この女性は、囚人が人を殺していた彼女の兄といるところを見たと証言しました。
[囚人5]
 証言者1:彼女は囚人が殺害をしているところは目撃していないが、インターハムエと一緒にいるところを見たと証言しました。 ここで囚人が、自分はRPF(Rwandan Patriotic Front)が強そうな男性を探している時に選ばれてRPF兵になったが、兵隊でいることが好きでなかったので戦後復員したと話しました。しかし証言者1は囚人がインターハムエでないかと疑っていたので、通報して彼を投獄したのです。
 証言者2:近所の人が、囚人とその兄は兵隊であったこと、何もしていないことを証言しました。
 証言者3:近所の女性が、囚人はRPFのユニフォームを着ていたが、インターハムエがやって来た時殺されないようにユニフォームを脱いでいたと証言しました。五人目の囚人が終了したところで時間は3時前。今日中に全囚人を終えることは無理とみて観察者は引き上げるが、後日、7時までかけて全囚人が終了したこと、この中から容疑が確定されなかった四名が、書類が整い次第釈放されることが分かりました。容疑のハッキリしていない囚人が優先的に連れて来られているようです。会場の雰囲気は全体的に穏やかでしたが、促されないとなかなか証言が出ないため尚更時間がかかりました。

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